腸内環境改善と健康『ビタミンA』
腸内環境の研究家
ビタミンAについて説明してください。
免疫力を上げたい
ビタミンAは、脂溶性ビタミンの一種で、網膜の光受容体であるロドプシンの構成要素であり、上皮組織を健全に保つ働きがあります。
腸内環境の研究家
ビタミンAの吸収を促進するものと、肝臓に貯蔵される形について説明してください。
免疫力を上げたい
ビタミンAの吸収を促進するのは、食事中に含まれる油脂です。また、肝臓に貯蔵される形はレチノールエステルです。
ビタミンAとは。
ビタミンAとは、別の言い方をすると、レチノールのことを指します。また、レチノールと似た働きをする物質のことを、ビタミンAと呼ぶこともあります。自然界には、レチノール（ビタミンA1）と3-デヒドロレチノール（ビタミンA2）やその仲間が存在しています。ビタミンAは脂溶性ビタミンの一種です。レチノイドという構造を持ち、酸素、光、熱などによって変化したり分解されたりしやすい性質を持っています。
ビタミンAが変化した物質であるレチナールは、網膜にある光受容体であるロドプシンの成分です。同じくビタミンAが変化した物質である全トランスレチノイン酸は、レチノイン酸受容体（RAR）というタンパク質と結合して、遺伝子の働きを調節する働きがあります。この働きによって、細胞の分化や増殖、組織の形が正常に作られます。上皮組織を健康に保つために重要な役割を果たしています。
また、9シスレチノイン酸という物質はレチノイドX受容体（RXR）というタンパク質と結合して、さまざまな遺伝子の働きを調節します。動物性食品に含まれているレチノールの脂肪酸エステル（レチノールエステル）は、小腸で分解されてレチノールとなり、他の脂質と一緒に吸収されて運ばれ、肝臓に到達して再び脂肪酸エステルとして貯蔵されます。
ビタミンAは、一緒に摂る油脂によって吸収が促進されます。人間の体内のビタミンAのおよそ90％は、肝臓に存在しています。肝臓に貯蔵されているレチノールエステルは、必要に応じてレチノールとなり、レチノール結合タンパク質-4とトランスサイレチン（プレアルブミン）というタンパク質と結合して血中に放出され、体の末端に運ばれます。
色の濃い野菜や果物に豊富に含まれているβカロテンなどのカロテノイドは、体内で酵素によって分解されてビタミンAに変換されます。そのため、プロビタミンAと呼ばれています。「日本人の食事摂取基準（2015年版）」では、食品中のビタミンAの量を示すために、レチノール活性当量が使用されています。
ビタミンAとは何か
ビタミンAとは、脂溶性ビタミンの一種で、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称です。 レチノールは、動物性食品に含まれ、レチナールは、レチノールから生成されるアルデヒドで、網膜の光受容体であるロドプシンの構成要素です。レチノイン酸は、レチナールから生成されるカルボン酸で、細胞の分化、増殖、組織の形態形成を制御する役割があります。
ビタミンAは、成長、発達、粘膜の健康、免疫機能、視覚、皮膚の健康など、さまざまな重要な機能を果たしています。ビタミンAが不足すると、夜盲症（薄暗い場所での視力が低下する）、角膜軟化症（角膜がやわらかくなる）、皮膚の乾燥や角化、免疫機能の低下、感染症にかかりやすくなるなどの症状が現れます。
ビタミンAの働き
ビタミンAは、人間の健康に欠かせない栄養素の一つです。ビタミンAは、網膜の光受容体であるロドプシンの構成要素であり、視力を維持する役割を果たしています。また、ビタミンAは、上皮組織の正常な機能を維持するためにも必要です。上皮組織は、皮膚、粘膜、消化管などの表面を覆う組織であり、体の外からの異物の侵入を防いだり、体内の水分を保持したりする役割を果たしています。ビタミンAは、これらの上皮組織を健康に保つことで、感染症に対する抵抗力を高めたり、がんの発生を防ぐ効果があると考えられています。
ビタミンAが不足するとどうなるか
ビタミンAが不足するとどうなるか
ビタミンAが不足すると、夜盲症、皮膚の乾燥、免疫力の低下、感染症にかかりやすくなるなどの症状が現れます。また、ビタミンAが不足すると、角膜が乾燥して角膜軟化症を起こすことがあります。角膜軟化症は、角膜が白く濁り、視力が低下する病気です。さらに、ビタミンAが不足すると、上皮細胞の増殖が抑制され、上皮組織が正常に機能しなくなります。上皮組織は、身体の表面を覆っている組織で、身体を保護する役割をしています。ビタミンAが不足すると、上皮組織が正常に機能しなくなり、身体を保護する機能が低下します。
ビタミンAを多く含む食品
ビタミンAを多く含む食品には、動物性食品ではレバー、卵、乳製品などがあります。また、植物性食品では色の濃い野菜や果物、海藻などに多く含まれています。例えば、レバーはビタミンAを最も多く含む食品のひとつで、100gあたり4,000～5,000μgのビタミンAを含んでいます。また、うなぎやさんまなどの青魚もビタミンAを多く含む食品です。野菜の中では、ほうれん草、小松菜、モロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれています。果物の中ではマンゴーや柿などに多く含まれています。また、海藻の中ではひじきやわかめなどに多く含まれています。
