腸内環境改善で機能性ディスペプシアを改善

腸内環境改善で機能性ディスペプシアを改善

機能性ディスペプシアとは

機能性ディスペプシアは、胃痛や胃もたれなどの自覚症状が慢性的に生じるにもかかわらず、内視鏡検査などでは炎症などの異常が認められない疾患です。

日本では2013年に保険病名が認められ、健康診断受診者の11～17％は機能性ディスペプシアであったというケースもあり、推定患者数は数千万人とも言われています。

症状は、みぞおち辺りの痛み（心窩部痛症候群）または胃もたれ（食後愁訴症候群）の2つのタイプに分類されます。

命にかかわる疾患ではありませんが、症状が重い人ではQOL（生活の質）の著しい低下がみられ、仕事や日常生活における生産性の低下などが問題となっています。

機能性ディスペプシアの治療法

機能性ディスペプシアは、原因不明の上腹部痛、腹部膨満感、早満感などの消化器症状を特徴とする機能性胃腸疾患です。その治療法は、薬、生活改善、食事療法の3つに大別されます。

薬物治療としては、消化管運動改善薬、制酸剤、抗コリン剤、抗不安薬などが処方される場合があります。また、近年では、プロバイオティクスによる胃症状改善効果についても研究が報告されています。

生活改善としては、規則正しい食生活や十分な睡眠、適度な運動などが挙げられます。また、ストレスを軽減する工夫も大切です。

食事療法としては、刺激物や脂肪分の多い食事を避けるなど、胃に負担をかけない食事を心がけることが大切です。また、食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取することも推奨されます。

プロバイオティクスによる胃症状改善効果

プロバイオティクスによる胃症状改善効果

プロバイオティクスとは、摂取することによって宿主の健康に有益な影響を与える生きた微生物のことです。プロバイオティクスを摂取することで、腸内環境が改善され、胃腸の調子が良くなることが期待できます。

近年、プロバイオティクスによる胃症状改善効果について研究が報告されています。例えば、機能性ディスペプシアの患者を対象とした研究では、プロバイオティクスを摂取したグループは、プラセボを摂取したグループよりも胃痛や胃もたれなどの症状が有意に改善したという結果が得られています。

プロバイオティクスの胃症状改善効果は、腸内環境の改善によるものと考えられています。プロバイオティクスを摂取することで、腸内に善玉菌が増加し、悪玉菌が減少します。善玉菌が増加することで、腸内環境が改善され、胃腸の働きが正常化されます。

プロバイオティクスの胃症状改善効果は、まだ研究段階ではありますが、有望な治療法として注目されています。プロバイオティクスは、安全性の高い食品であるため、胃腸の調子が悪い人は、積極的に摂取することを検討してみてはいかがでしょうか。

腸内環境改善のための生活習慣

腸内環境改善のための生活習慣

腸内環境を改善するためには、規則正しい食生活と適度な運動を心がけることが大切です。食事は、野菜、果物、豆類などの食物繊維を多く含むものを中心に、発酵食品や乳酸菌飲料などを積極的に摂るようにしましょう。また、刺激の強い食べ物や飲み物は控え、暴飲暴食にも注意が必要です。適度な運動も腸内環境改善に効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を週3日以上行うようにしましょう。また、ストレスをためないようにすることも大切です。ストレスがたまると自律神経のバランスが崩れ、腸の働きが悪くなってしまいます。趣味や入浴などでリラックスする時間を作るようにしましょう。