腸内環境改善と健康『胃酸』
腸内環境の研究家
腸内環境改善と健康について解説するよ。 まず、胃酸の役割について教えてくれるかな?
免疫力を上げたい
胃酸は、胃液の主成分である塩酸で、強い酸性のpH1~2を持っています。この強酸性により、食物と一緒に胃に入ってきた細菌を殺菌し、食物中のタンパク質を変性させることで、消化酵素による消化を助けます。
腸内環境の研究家
そうだね。胃酸は胃の健康を維持する上で重要な役割を果たしているんだ。また、胃酸には、プロバイオティクスと呼ばれる体に有益な菌を殺してしまう可能性もあるんだ。プロバイオティクスは、腸内環境を改善し、健康維持に役立ってくれる大切な菌なんだ。
免疫力を上げたい
なるほど、胃酸は体に有益なプロバイオティクスにも影響を与えることができるのですね。胃酸の強さや分泌量を調整することで、胃の健康とプロバイオティクスのバランスを保つことが大切なのですね。
胃酸とは。
胃酸は、胃液の主成分で、強い酸性(pH 1~2)を持っています。その酸性により、食べた食物と一緒に胃に入った細菌を殺し、タンパク質を変性させることで、消化酵素による消化を助けています。胃酸は、塩酸で、胃壁から分泌された水素イオンと塩化物イオンが混ざってできます。胃酸の分泌は、消化管ホルモン(ガストリンなど)やアルコールやカフェインの摂取によって促進されます。これらのものを摂りすぎると、胃を傷めることがあります。プロバイオティクスの中には、胃液の中でも生きて腸まで届くものがあります。また、胃酸に負けないで胃にとどまり、胃で働くプロバイオティクスも報告されています。
胃酸とは?その働き
胃酸は、胃液の主成分の一つです。 その強酸性(pH 1~2)により、食物と一緒に胃に入ってきた細菌を殺菌します。また、食物中のタンパク質を変性させることで、消化酵素による消化を助けます。このような機能を有する胃酸の正体は塩酸(HCl)です。この塩酸は体内に存在しているわけではなく、胃壁から別々に分泌された水素イオン(H+)と塩化物イオン(Cl-)が胃内部で混ざって塩酸になるのです。胃酸の分泌は主に、食物が胃に入ることで産生される消化管ホルモン(ガストリン等)の働きにより促進されますが、アルコールやカフェインの摂取でも促進されます。そのため、これらを摂り過ぎると胃を傷めてしまうことがあります。
プロバイオティクスとは?
プロバイオティクスとは?
プロバイオティクスとは、腸内環境を改善し、健康を維持増進する作用を有する生きた微生物のことです。プロバイオティクスは、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品に含まれている乳酸菌やビフィズス菌などの細菌、納豆に含まれる納豆菌などの菌類、味噌や醤油などの発酵調味料に含まれる麹菌などのカビなど、さまざまな微生物が知られています。プロバイオティクスは、腸内細菌叢のバランスを整え、腸内環境を改善することで、下痢や便秘などの消化器系の不調を予防・改善したり、免疫機能を高めたり、肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防したりする効果があると言われています。また、プロバイオティクスは、胃液などの酸にも強く、生きて腸まで届くことができます。
胃酸に耐えられるプロバイオティクス
胃酸は胃液の主成分の一つであり、その強酸性(pH 1~2)により食物と一緒に胃に入ってきた細菌を殺菌します。また、食物中のタンパク質を変性させることで、消化酵素による消化を助けます。このような機能を有する胃酸の正体は塩酸(HCl)です。
本来プロバイオティクスは胃液に耐えることができず、死亡すると考えられていました。しかし近年では、胃酸に耐えられるプロバイオティクスが発見されてきています。その一つが、耐酸性乳酸桿菌です。耐酸性乳酸桿菌は、胃液の酸性に耐えることができ、生きて腸に到達することができることがわかっています。また、耐酸性乳酸桿菌は、腸内環境を整え、免疫機能を高めるなどの効果があることもわかっています。
胃酸を調整するための食事
胃酸の分泌は、健康を維持するために重要な役割を果たしています。胃酸は、食べ物を消化し、細菌を殺し、栄養素の吸収を助けます。しかし、胃酸の分泌が多すぎると、胃酸過多となり、胃痛、胸焼け、吐き気などの症状を引き起こすことがあります。
胃酸の分泌量を調整するために、食事に気を付けることが大切です。胃酸の分泌を促進する食品は、アルコール、カフェイン、香辛料、脂肪分の多い食品などです。これらの食品を摂りすぎると、胃酸の分泌量が増加し、胃酸過多の原因となります。逆に、胃酸の分泌を抑制する食品は、牛乳、ヨーグルト、キャベツ、ブロッコリーなどです。これらの食品を積極的に摂ることで、胃酸の分泌量を調整し、胃酸過多を防ぐことができます。
胃酸過多と胃酸不足
胃酸過多とは、胃酸の分泌量が多すぎる状態です。胃酸は、食物を消化するための重要な消化液ですが、分泌量が多すぎると胃粘膜を傷つけ、胃炎や胃潰瘍を引き起こす可能性があります。胃酸過多の原因としては、ストレス、喫煙、アルコールやカフェインの過剰摂取、ピロリ菌感染などがあります。
胃酸不足とは、胃酸の分泌量が少ない状態です。胃酸は、食物を消化したり、細菌を殺菌したりする働きがあるため、胃酸不足になると、消化不良や栄養吸収障害、細菌感染症などを引き起こす可能性があります。胃酸不足の原因としては、加齢、ピロリ菌感染、胃炎、胃潰瘍、甲状腺機能低下症、糖尿病などがあります。