ピロリ菌

検査に関する解説

腸内環境改善と健康『ウレアブレステスト』

ウレアブレステストとは、胃の中にピロリ菌がいるかどうかを調べる検査方法です。胃の中は、胃酸により強酸性状態であることから、通常微生物は住めません。ところが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素で胃の中の尿素からアンモニアを作り、自分の周囲の胃酸をアンモニアで中和することにより胃の中でも生息することができます。 ウレアブレステストは、ピロリ菌のこの性質を利用して胃の中にピロリ菌がいるかどうかを調べる方法です。検査では、まず13Cという元素で「しるし」を付けた尿素の試験薬を服用します。胃の中にピロリ菌がいる場合は、この尿素がピロリ菌のウレアーゼにより、アンモニアと「しるし」の付いた二酸化炭素(13CO2)に分解されます。発生した13CO2は、胃から吸収された後、血液により肺へ運ばれて速やかに呼気中に排出されるため、試験薬服用直後の呼気中に13CO2が含まれれば胃の中にピロリ菌がいると判定されます。一方ピロリ菌がいない場合は、試験薬は分解されることなくほとんどが尿の中に排出されるため、呼気中に13CO2は含まれません。
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健康アップに関する解説

腸内環境改善で萎縮性胃炎を予防しよう!

萎縮性胃炎とは、慢性的な炎症状態が続くことによって、胃粘膜が薄くなる状態のことです。 ピロリ菌の感染が主な原因と考えられています。本萎縮が進行すると、胃の細胞が腸のように変化した腸上皮化生という状態になり、胃がんになるリスクが高まることが疫学調査から明らかになっています。 また、萎縮によって胃細胞が減少すると、胃酸などの消化液の分泌も低下することから、消化液に含まれている消化酵素ペプシンのもととなる成分、ペプシノゲンを測定することで、胃の萎縮の程度を推定することができます。 この血液中のペプシノゲン濃度を測定する方法とピロリ菌感染の有無を調べる検査を組み合わせたABC健診は、血液検査でできる胃がんリスク健診として注目されています。
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腸内環境改善に関する解説

腸内環境改善で胃不定愁訴撃退!

腸内環境と胃不定愁訴の関係 腸内環境は、腸内細菌叢の構成やバランスのことです。腸内細菌叢は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分類されます。善玉菌は、腸内を健康に保つのに役立つ細菌で、悪玉菌は、腸内を悪化させるのに役立つ細菌です。日和見菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらの味方につくかによって、善玉菌になったり悪玉菌になったりします。 腸内環境が悪化すると、悪玉菌が増加して善玉菌が減少します。これにより、腸内細菌叢のバランスが崩れ、胃腸の不調を引き起こします。胃不定愁訴は、腸内環境の悪化によって引き起こされることが多いと考えられています。 腸内環境を改善することで、胃不定愁訴を改善することができる場合があります。腸内環境を改善するには、以下のことが有効です。 ・食物繊維を多く含む食品を食べる ・発酵食品を食べる ・適度な運動をする ・ストレスをためない ・十分な睡眠をとる
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腸内環境改善に関する解説

腸内環境改善と健康~ピロリ菌を制す~

ピロリ菌は、ヒトの胃内に存在する細菌で、正式名称はHelicobacter pylori(ヘリコバクター・ピロリ)といいます。1983年にオーストラリアのWarrenとMarshallにより発見されました。ねじれた螺旋型の形状(helico-)をしていることと胃の幽門付近に存在すること(pylori)に因んでHelicobacter pyloriという名称が与えられました。両博士はこの発見で2005年にノーベル生理・医学賞を受賞しています。ピロリ菌はヒトの慢性胃炎、胃潰瘍のみならず胃がんやMALTリンパ腫などと密接に関連していることが指摘され、プロトンポンプ阻害剤+抗生物質の併用による除菌治療が推奨されています。ただしピロリ菌に感染していても約7割のヒトは症状が現れない健康保菌者です。こうした健康保菌者に関しては耐性菌や副作用の問題から除菌治療より、ピロリ菌に有効な食品などによる菌の抑制、維持療法なども提案されています。
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