リン酸緩衝生理食塩水

リン酸緩衝生理食塩水(PBS)とは、細胞生物学、生化学等の細胞を扱う実験でよく利用される緩衝液です。細胞膜を破壊しないで、細胞表面の汚れやごみを洗い流したり、細胞を緩やかに沈殿させる際に用いられます。リン酸緩衝生理食塩水の主な成分は、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウムです。これらの成分は、生体内で普遍的に見出されるイオンで構成されているため、無毒性です。また、等張液になるように調製されているため、細胞洗浄溶液としても用いられます。 リン酸緩衝生理食塩水は、様々な用途で用いられます。例えば、細胞培養の際には、細胞を洗浄したり、細胞の増殖を促進したりするために使用されます。また、免疫学の実験では、抗原や抗体を希釈したり、細胞を洗浄したりするために使用されます。さらに、分子生物学の実験では、DNAやRNAを抽出した後に、それらを洗浄したり、濃縮したりするために使用されます。