
小腸

腸内環境と健康は密接に関連していることが知られています。腸内細菌は、食物を分解し、栄養素を吸収するのを助けるだけでなく、免疫機能や代謝機能にも影響を与えます。腸内細菌のバランスが崩れると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
例えば、腸内環境の悪化は、肥満、糖尿病、心臓病、大腸がんのリスクを高めることがわかっています。また、腸内環境の悪化は、うつ病や不安障害などの精神疾患の発症にも関連していると考えられています。
腸内環境を改善するには、食物繊維を多く含む食品を食べる、プロバイオティクスを摂取する、適度な運動をする、ストレスをためないなどのことが大切です。
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セリアック病と腸内環境の改善
セリアック病は、グルテンを摂取すると小腸粘膜に炎症が起こる自己免疫疾患です。原因は厳密には不明ですが、ムギ(小麦・大麦・ライ麦など)に含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こるとされています。
小腸粘膜に炎症が起こると、栄養素の吸収障害が起こります。その結果、下痢が頻回となり、多彩な栄養不良(鉄欠乏、葉酸欠乏、骨軟化、低蛋白)を呈することがあります。
当疾患における特徴は、グルテンを摂取すると小腸の栄養素吸収機能が障害されることです。その結果、下痢が頻回となり、多彩な栄養不良(鉄欠乏、葉酸欠乏、骨軟化、低蛋白)を呈することがあります。
セリアック病は、主に小児期から青年期に発症することが多く、欧米では113人に1人(1%)という高頻度で発症するため大問題となっています。しかし、日本では非常にまれな疾患です。
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小腸の健康を保ち、健康を維持しよう!
小腸は、胃に続く管状の消化器で、十二指腸、空腸、回腸の3つの部位に分かれています。体の中の臓器で最も長く、ヒトでは約6~7メートルにもなります。小腸は、内側より粘膜、粘膜下組織、筋層、漿膜(しょうまく)からなります。小腸内壁は輪状のヒダ構造をとり、その表面には無数の絨毛(じゅうもう粘膜の小突起)が、絨毛の表面には微絨毛(微細な細胞質突起)が発達しています。大小の突起を形成することで粘膜の表面積を広げ、栄養素を効率よく吸収できる構造になっています。
小腸の主な機能は、消化と吸収です。胃で消化された粥状の食物は蠕動運動により小腸から大腸へ運ばれながら膵液、胆汁や小腸の消化酵素と混ざり、栄養素(単糖、アミノ酸、脂肪酸、グリセリドなど)に分解されます。栄養素は小腸粘膜から吸収されて血管やリンパ管を経て肝臓や全身に運ばれます。また、消化・吸収以外にも免疫、神経、内分泌などさまざまな機能を果たしています。
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