樹状細胞

腸内環境改善に関する解説

腸内環境改善と健康

Toll様受容体(TLR)とは、細菌やウイルスなどの特徴的な構造(分子パターン)を見分けるセンサー(受容体)です。主にマクロファージや樹状細胞などの自然免疫系の細胞が持っています。 ショウジョウバエの正常な発生に必要な分子として見出された「Toll」と類似の分子として、哺乳類では1997年に発見されました。ヒトでは現在までに10種類のTLR(TLR1~10)の存在が確認されています。例えば、TLR2は乳酸菌などのグラム陽性菌に特徴的な構造を、TLR4は大腸菌などのグラム陰性菌に特徴的な構造をそれぞれ認識し、必要な免疫応答を起こします。 TLRは自然免疫だけでなく、獲得免疫への橋渡し役としても重要です。2011年にTLRの研究に対してノーベル賞が与えられました。
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腸内環境改善に関する解説

腸内環境改善と免疫力の強化

トル様受容体とは、自然免疫系が病原体を認識して、生体の防御機構を活性化するための受容体である。1996年にTollというタンパク質に類似していることから、この名前がつけられた。 トル様受容体は、細胞膜上に存在し、病原体の表面に存在する共通した分子構造であるPAMPを認識する。PAMPには、リポ多糖、ペプチドグリカン、リポ蛋白、ヌクレイン酸などがあり、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などの病原体に共通して存在している。 トル様受容体は、PAMPを認識すると、細胞内シグナル伝達系を活性化し、病原体排除に必要な生体防御機構を誘導する。具体的には、インターフェロン、炎症性サイトカイン、ケモカインなどの分泌を促進し、病原体の増殖を抑制したり、アポトーシスを誘導したりする。 また、トル様受容体は、第二の生体防御機構である獲得免疫系の誘導にも関与している。トル様受容体を介したシグナル伝達によって、樹状細胞が成熟し、抗原を提示する能力が高まる。これにより、獲得免疫系が病原体を認識し、特異的な免疫応答を誘導することができる。
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健康アップに関する解説

腸内環境改善でT細胞を活性化、健康維持に

腸内環境とT細胞の関係 腸内環境は、T細胞の機能に重要な役割を果たしています。たとえば、腸内細菌の構成が変化すると、T細胞のバランスが乱れ、炎症性腸疾患や大腸がんのリスクが高まることが知られています。また、腸内細菌が産生する代謝物の中には、T細胞の活性化を抑制するものがあり、これによって過剰な免疫反応を防いでいると考えられています。さらに、腸内細菌がT細胞の分化や成熟に影響を与える可能性も示唆されています。
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腸内環境改善に関する解説

腸内環境改善と健康 ~樹状細胞の役割と将来性~

樹状細胞とは、樹枝状の細胞突起を持つことから名付けられた免疫担当細胞の一種です。1973年にロックフェラー大学のスタインマン博士により発見されました。樹状細胞は、リンパ組織のみならず全身に分布しており、免疫応答にとって重要な細胞であると考えられています。病原微生物やがんなどの非自己(抗原)を認識した樹状細胞は、MHC分子を介して抗原情報をT細胞に提示することにより、適応(獲得)免疫反応を惹起し、抗原提示細胞として機能します。一方、定常状態の樹状細胞は、過剰な免疫反応が起こらないように免疫寛容を誘導・維持する機能も持っています。最新の研究により、樹状細胞は複数の細胞集団から構成され、各細胞集団は異なった免疫制御機能を持っていることが明らかになりました。今後は、樹状細胞を用いた感染症予防やがんワクチンの開発が期待されています。
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