無症候性心筋虚血

腸内環境と虚血性心疾患の関係 腸内環境の乱れが虚血性心疾患の発症や悪化に関連していることが研究で明らかになってきています。腸内環境を改善することで、虚血性心疾患のリスクを軽減したり、症状を改善することが期待されます。 虚血性心疾患は、心臓を栄養する冠動脈が動脈硬化などで狭窄・閉塞し、心臓への血流が減少することで発症する疾患です。虚血性心疾患を引き起こす主な要因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満などがありますが、腸内細菌叢の乱れもその一因であると考えられています。 腸内には、善玉菌と悪玉菌の2種類の細菌が生息しています。善玉菌は、有害な物質を分解したり、免疫機能を強化したりする役割を持っています。一方、悪玉菌は、有害物質を産生したり、炎症を促進したりする役割を持っています。 腸内環境が乱れると、悪玉菌が増加し、善玉菌が減少します。この状態が続くと、腸のバリア機能が低下し、有害物質が腸から血流に入り込みやすくなります。また、腸内細菌が産生する有害物質が血管を傷つけ、動脈硬化を進行させることもわかっています。 そのため、腸内環境を改善することで、悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やすことができます。これにより、腸のバリア機能を強化し、有害物質の腸からの侵入を防ぐことができます。また、血管を傷つける有害物質の産生も抑えることができるため、動脈硬化の進行を遅らせることができます。 このように、腸内環境を改善することで、虚血性心疾患の発症や悪化のリスクを軽減することが期待されます。