粘液層

腸内環境改善に関する解説

腸管における定着性

粘液層の構造 粘液層は、小腸と大腸の両方に見られ、2つの層で構成されています。内層は、上皮細胞に接する高密度の層で、病原細菌の細胞への侵入を防ぐバリア機能を果たしています。外層は、粘性の高い低密度の層で、常在細菌が日常的に接触し、定着する場所を提供しています。ヒト小腸の粘液層は、おおよそ30µm以下の薄い内層と100µm~400µmの外層からなり、不均一の層を形成しているのに対して、大腸の粘液内層は100µm、外層は700µmもの厚さにおよぶことが報告されています。
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腸内環境改善に関する解説

腸内環境改善と健康

バクテリアルトランスロケーション(Bacterial translocation(BT)とは、腸内に生息する生菌が腸管上皮を通過して腸管以外の臓器に移行する現象を指す。BTは通常、健康な人でもごく少数しか起こらないが、腸管の粘膜が損傷していたり、免疫力が低下していたりすると、BTが起こりやすくなる。BTが起こると、腸内細菌が血液やリンパ液を介して全身に運ばれ、感染症や炎症を引き起こす可能性がある。 BTは、腸内細菌の異常増殖、粘膜上皮細胞の損傷、免疫機能の低下など、さまざまな要因によって引き起こされる。腸内細菌の異常増殖は、抗生物質の投与や、放射線照射などによって起こることがある。粘膜上皮細胞の損傷は、熱傷、ザイモザンやricinolicacidなどの薬物による障害などによって起こることがある。免疫機能の低下は、糖尿病、癌、熱傷、外傷などの全身性の消耗性疾患や、免疫抑制剤の投与などによって起こることがある。
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