腸内環境と健康『脂肪分解』のメカニズム
腸内細菌と脂肪分解
腸内細菌は、脂肪の分解にも関与しています。 腸内細菌の中には、脂肪を分解する酵素(リパーゼ)を産生するものがあり、これらの酵素が脂肪を分解して遊離脂肪酸とグリセロールに分解します。 遊離脂肪酸は、大腸でさらに分解されて短鎖脂肪酸になり、短鎖脂肪酸は腸内環境を整えたり、大腸がんのリスクを下げるなど、さまざまな健康効果をもたらすことがわかっています。 また、 腸内細菌は、脂肪の吸収を抑える役割も果たしています。 腸内細菌が産生するある種の短鎖脂肪酸は、脂肪の吸収を抑える効果があることがわかっています。 さらに、腸内細菌は、脂肪の分解や吸収に関わる遺伝子の発現を調節する役割も果たしていると考えられています。