
O157

病原大腸菌とは何か?
病原大腸菌とは下痢の原因となる大腸菌の総称です。大腸菌はもともと、人の腸内に常在する菌であり、ビタミン合成や栄養素の吸収、病原菌の侵入を防ぐなど、人の健康維持に役立っています。しかし、病原大腸菌は毒素を産生したり、腸管壁に侵入したりすることで、下痢や腹痛などの症状を引き起こします。
病原大腸菌は5つのタイプに分けられます。腸管出血性大腸菌(EHEC)、毒素原性大腸菌(ETEC)、組織侵入性大腸菌(EIEC)、病原血清型大腸菌(EPEC)、腸管付着性大腸菌(EAEC)です。これらのタイプは、下痢の症状や、毒素を産生するメカニズムが異なります。
病原大腸菌は、食中毒の原因となる菌としても知られており、食品を介して感染することが多いです。特に、十分に加熱されていない肉や卵、未殺菌の牛乳や果汁、生野菜や果物は、病原大腸菌に汚染されている可能性が高いため、注意が必要です。
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腸内環境改善と健康『腸管出血性大腸菌(O157、O26、O111)の危険性と対策』
腸管出血性大腸菌(EHEC)とは、腸内で毒素(ベロ毒素、シトトキシン)を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす細菌の一種です。代表的なものは「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかにも「O26」や「O111」などが知られています。
腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかる菌ですが、家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有するかどうかの判別は困難です。このため、食肉として流通する牛肉やその他の肉製品、生乳や乳製品、野菜や果物など、さまざまな食品から感染する可能性があります。
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腸内環境改善と健康
腸管出血性大腸菌(EHEC)とは、産生するヴェロ毒素(毒素)が強い出血性の大腸菌です。O157は、EHECの中で最もよく知られている株で、1982年にアメリカで初めて分離されました。その後、世界各国でO157による食中毒が発生するようになりました。EHECは、牛、ヤギ、羊などの腸管に生息しており、家畜の糞便を介して食品に付着することがあります。EHECは、加熱不十分な牛肉や豚肉、非加熱の牛乳や乳製品、汚染された野菜や果物などを食べることで感染します。
O157による食中毒の症状は、通常、下痢、腹痛、嘔吐です。重症例では、溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症することがあります。HUSは、血液中の赤血球が破壊され、腎不全を起こす重篤な合併症です。EHECによる食中毒の治療は、支持療法が中心です。抗菌薬は、EHECの増殖を抑える効果がありますが、毒素の産生を抑制する効果はありません。そのため、抗菌薬の投与は、重症例に限定されます。
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腸内環境改善と健康:腸管出血性大腸菌にご注意
腸管出血性大腸菌とは、健常人や家畜に常在する大腸菌とは異なり、志賀毒素(1型、2型)を産生して出血を伴う大腸炎を引き起こす種類のものを指します。 志賀毒素を原因とした溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症といった合併症を起こすことがあり、特に、乳幼児、高齢者、抵抗力の低下したヒトでは重症化しやすく、時には死に至ることもあります。本菌は、汚染された食品(生肉、土の付いた野菜など)や水を介して経口感染し、保菌者の便からの2次感染も生じます。他の食中毒菌とは異なり、100個程度の少量の菌数で発症してしまいます。ただし、腸管出血性大腸菌は熱に弱いので、肉などは十分に加熱してから食べることで予防できます。腸管出血性大腸菌による集団食中毒は、大部分が「O157」によるものでしたが、2011年に、わが国では「O111」、ドイツをはじめヨーロッパ各国では「O104」を原因菌とする集団感染が発生し、死亡例が認められています。
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